設立趣意書

2011年3月11日の東日本大震災とそれにともなう福島の原子力災害は、「天災」あるいは「人災」であると同時に、日本の戦後や近代文明のあり方そのものを問い直す「文明災」とも言われました。またこの災禍は、中央が潤うために地方が負担やリスクを背負うという、中央と地方との不平等な関係も浮き彫りにしました。今まさに私たちは、これまで築いてきた社会のあり方や「豊かさ」そのものを根源から問い直し、未来の世代に引き継ぐための新しい社会のあり方を模索しなければならない時代を迎えていると言えます。

この「新しい社会」は、それぞれの地域の現実に即して市民が自らの力で発案し、創り出す必要があります。またその実現のためには、地域経済、金融、地方行政、消費文化やライフスタイル、あるいは地域の安全保障に至るまで、きわめて包括的な課題に取り組まなければなりません。そこで、このような課題に適切に対応するものとして、現在世界中で注目されているのが、市民によるエネルギー事業(市民エネルギー)の試みです。「文明の血液」とも言えるエネルギーのあり方を、その生産から流通、消費に至るまで、市民自らが考え、実践する「市民エネルギー」の試みは、市民による包括的な社会分野への参加を可能にするため、世界中で民主主義そのものの深化と拡大を促しています。

この「市民エネルギー」の実践は、さらに地域に新たな雇用や財の流れを生み出し、地域の内発的な発展を促します。ヒト・モノ・カネの流れが中央に集中する経済・社会構造を徐々に変更し、真に自立可能な地域への転換を促します。21世紀は中央集権システムが世界中で限界を迎え、真の地方分権や地域の自立が求められる時代となりましたが、地方が実質的な活力をとりもどすためには、中央のみならず、地方自らが創意工夫し、自立のための具体的な実践を積み重ねていく必要があります。またさらに、それら地域ごとの実践が相互に連帯することで、この国に実体的かつ強靭な経済的・社会的基盤を創り出すことが可能となります。

幸い新潟は、豊かな自然に恵まれています。私たちは、ここ新潟でも「市民エネルギー」の試みをスタートさせる必要性を確認し合いました。年齢、職業、信条、関心などにおいてきわめて広範な市民が多数集まり、新潟における「市民エネルギー」の可能性について今日まで協議を積み重ねてきました。その結果、私たちは、このような広範な参加者がエネルギーや地域社会のあり方に関して恒常的に協議する場がきわめて重要であることも再確認しました。

このような経緯から、今日ここに私たちは、新潟の自然や伝統を活かしつつ、未来世代のいのちが尊重される新しい地域社会の姿を実現するため、「一般社団法人 おらってにいがた市民エネルギー協議会」の設立を宣言したいと思います。

平成26年(2014年)12月21日

おらってにいがた市民エネルギー協議会
発起人一同